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ペブル18期の総括 2019.12.21

 12月4日で18周年を迎えました。このタイミングで決算を迎えるので、自分としてはいつも「何年?」と数えてしまうのですが、20代半ばで独立してもう18年が経過したことになります。その間にどれだけ成長できたのか?甚だ疑問でもありますが、それにしてもここ数年は浮き沈みが激しい状況だった中で荒波に揉まれているような感覚でしたが、ここ一年を振り返ってみれば比較的安定していて、とても仕事に集中できた良い一年でした。
 
 今年一年で今までと大きく変わったのは、仕事の拠点である東京のシェアオフィス内の会社同士での仕事の分業(シェア)が活発になったこと、そして自宅のある沖縄の仕事の依頼が増えたことが挙げられます。どちらもこちらが率先して動いた結果ではなく、ごく自然にそうなったことが何より嬉しいことです。少しずつ人間関係やお互いの信頼が深まり仕事に発展したことは、ここ数年焦らずに地道に関係性を深めて来れた成果だと感じています。
 
 もう一つここ一年で大きく変わったことがあります。それは10年ぶりに自分が図面をスタッフや外注業者を一切介さずに、一人でこなすようになってきたことです。今までは極力ディレクションやデザインに集中しようと思い、図面とは一定の距離を置いて仕事に取り組んできましたが、2年前から少しずつ以前のように自分で図面も書き、それ以外も一人で全てをこなせる方向に切り替えたことで、地に足をつけて仕事ができている感覚はなんとも気持ちの良いものです。同じくスタッフも自分を介さず、直接 彼自身のクライアント〜全業者と仕事しています。各々自立した関係性はとても心強く感じています。
 
 そんな訳で、言い換えればこれといって特筆すべきこともなかった一年なのですが、いろいろ仕事の進め方を変えたり、営業をしない(できない)スタイルで取り組んでいる中で、結果的に黒字だったというだけで経営者としては十分嬉しく充実感を感じられる一年なのでした(笑)。来年も普通に、頑張っていければと思います。引き続きどうぞ宜しくお願い致します。

店舗デザインの『ディレクション業務』とは? 2019.04.02

 弊社ではご契約の際に「設計料」以外に「ディレクション料」を頂いています。ディレクションとは直訳すると「1.指導、管理、監督 2.方向、方角 3.傾向、目的」となります。では店舗デザインにおけるディレクション業務とはいったい何でしょうか?
 
 多くの人がコンセプトやイメージを決める人、全ての方向性を定める人だと思っていますが、ほとんどの場合、そこを担うべきは施主自身であり、弊社も含めたデザイナー(もしくはディレクター)が勝手にそこを決められるものではありません。なぜならその後の店舗運営の責任を負うのは施主自身なのですから、施主自身がその方向性に納得してこそ初めて「ゴール」と定まるのです。
 
 もちろんその「ゴール」自体はとても重要ですから、私たちも空間や店舗の知識や経験を持ち、ブランディングを認識し、イメージを具体的に描ける専門家として、施主に助言し、その空間をイメージし易いよう資料を作成、必要に応じてスケッチやレイアウトのご協力も致します。もちろんその作業も「ディレクション」の一部ですが、あくまでそこはディレクションのごく一部だと捉えています(おそらく一般的に呼ばれている「ディレクター」の仕事はこの部分です)。
 
 ときとして私たちが導いた方向性がそのまま「コンセプト(ゴール)」に定まることも有りますが、それはただそれだけのことであって「そのゴールで行こう!」と最終的に決めるのはあくまで施主自身です(上記のディレクションの和訳における「3.方向、方角」にあたります)。
 
 僕自身は「コンセプト」とはあくまで最初に決めるべき「ゴール(方向、方角)」でしかなく、そこを決めることでその後の店舗完成までに関わる様々な人々がブレなく一つの方向に向かう為の「ツール」としか思っていません。もちろんそれ自体は店舗完成後の運営に大きく影響しますし、それが無ければ全員が同じ方向を向けないのでとても重要ですが、そこの決断は施主が担っていますので、私たちがその責任を負うことはありません。
 
 むしろ、店舗デザインにおいて私たちが同じくらい重要だと考えているもう一つの「ディレクション業務」は、コンセプト決定後〜店舗完成までの全ての「過程」の管理であり、最終的にそのゴールにきちんと導くことです。
 
 店舗が完成に至るまでに、施主や施工会社、そして私たち設計者以外にも様々な業種の方々と話し合い、協力を仰ぎ、協力し合い、物事や金額を決め、工事を経て、最終的に店舗は完成に至ります。例えば◯◯ディレクター、グラフィックデザイナー、ファッションデザイナー、スタイリスト、素材メーカー、什器制作会社、植栽の専門家、職人… 多種多様な業種や肩書きの方々が一つの店舗の完成に関わります。そこを滞りなく円滑に、定めた「ゴール」に導くのが弊社が最も重要視する「ディレクション業務」です。
 
 その「ディレクション」の作業を自分なりに日本語に言い換えれば、店舗が完成するまでの「舵取り」だと思っています(つまり上記のディレクションの和訳の「1.指導、管理、監督」に当たると思っています)。様々な業種や立場の方々とのコミュニケーションの中心となって舵取りをすることに弊社がきちんと責任を持つことで、物事は円滑に回り、滞りなく店舗の完成に至ります。
 
 一つのプロジェクトがよく「航海」に例えられます。店舗デザインにおいてはその向かうべき方向を定めるのは「施主」ですが、その方向性を助言し、その後の舵取りを担うのが「ディレクター」であるべきだと僕は思っています。
 
 言い換えれば、コンセプトも、デザインも、スケジュール管理も、予算組みも、VEの提案も… 別に誰がやっても良いのです。ただし、そこにどこか漏れが生じたり、やるべき人がそれを怠ることで滞る状況を、こちらはきちんと把握し指摘し、場合によっては弊社がそこを担って、きちんとゴールに辿り着くように全てをバックアップすること、それが弊社が「デザイン&設計」以外で担っている「ディレクション」という業務です。

やっぱりインテリアデザインは楽しい。 2018.03.29

 昨年10月に門前仲町の『YANE』という複合施設兼シェアオフィスに弊社の拠点を移し、もうすぐで半年が経ちます。
 
 アパレルの出店が減少傾向の中、ご多聞に漏れず弊社のクライアント(ブランド)の出店件数も減ったとはいえ、移転と同時に「二人体制」に転換した弊社としては、春に集中する出店攻勢に対応する為かなりの多忙を極め、さらに新ブランドの依頼も重なり、スタッフの資延共々、春のオープンまでただただがむしゃらに仕事に取り組んだ半年間でした。
 
 そんな中でも、自分としては多くの「気づき」を得ることもできた充実した日々でもありました。今まで数名いたスタッフに対して、自分は彼らのディレクション的立場でいると決め、極力彼らに委ねていた作業(例えばスケッチや図面、クライアント/内装監理室/施工会社とのやり取り、工事現場の確認など)を久しぶりに自分で全てこなしている中で、改めて「やっぱり自分はこの仕事が好きだ」という、人に伝えたら「何を今更…」と笑われるような感情を再認識する日々でした。
 
 こんなに楽しい作業の詰まった「インテリアデザイン(店舗デザイン)」という仕事の工程を、物件数が増え、スタッフが増え、彼らに仕事を委ねることで、これほどまでに自分自身の手元からその楽しさを易々と手放してしまっていたのだと気づき、改めて反省すらしつつ、今の段階でそこに気づけたことに感謝もしています。
 
 様々な偶然が重なったからとはいえ、この「楽しさ」が自分の手元に戻ってきた以上、今は手放すつもりもありません。クライアントの出店増に対応すべく会社の規模を拡大せざるを得なかった状況だったとはいえ、それによって自分自身が自由に動きづらい状況だったと知った以上、今こそ純粋に「インテリアデザインができることが嬉しい」と思っていた独立当初の『渇望感』に似た感情とともに、その楽しさをもっと深めていこう、追求していこうと思っています。
 
 あまりにここの『NEWS』に投稿していないことを思い出して、今の自分の素直な気持ちだけでもここに記しておこうと思って書き始めました。なんとも赤裸々な文章に感じられるかもしれませんが、今の自分の本心です。今後はもっと自分の「手」で作業することを増やしていきたいとも思っています。そこについてはまた改めてご報告させて頂きます。引き続きペブルをどうぞ宜しくお願い致します。

EXIT furniture 『WORK』series designed 2017.06.06

20170606_exit_catalog
 
 弊社代表である三橋崇が大学卒業後から独立するまでの2年間在籍し、お世話になった EXIT METAL WORK SUPPLY より家具が発売されました。弊社デザインの家具『WORK』シリーズもここに掲載され、併せて発売されております。テーブルやチェア、ベンチなどの家具をお探しの際は是非こちらのカタログもご覧いただきご検討ください。カタログのご請求、ネットでのご購入は下記よりお願い致します。
http://www.exitmetalworksupply.com

ご自由にどうぞ。 2017.06.01

20170601_リーフレットスタンド
 
 弊社の祐天寺事務所、建物自体は駒沢通り沿いなのですが、2階なのと、入口の階段が建物の裏なので、なかなか分かりづらく、駒沢通り側に看板を出しています。そこに、新たに弊社のリーフレットを入れたスタンドも設置しました。良かったらぜひお気軽に、リーフレットを抜き取って持ち帰ってください。宜しくお願い致します。